スラムダンク奨学金『その先の世界へ』読了

 正直、買った時の軽い(タケヒコの描きおろしカットがあるらしいね🎶)みたいな気持ちの自分にドロップキックして失神させたいと思うほどに、すごく……すごく…よかったです。

 私、一応字書きのはしくれのくせに、本当にこういう読書感想……みたいなものが大の苦手で。幼少期から読書感想文が一番憂鬱だった(本を読むのは大好きだったのに)ので、陳腐な事しか言えないんですけど……。頭わりぃ~感想しかいえないけどちょっとだけいわせてください……

 弱冠、十八歳で単身アメリカの地でバスケットボール片手に挑戦していくということへの心構えがまず私なんかが考えるような「不安」なんか一ミリもなくて、全員がワクワクする気持ちで渡米していることに、すごくハッとさせられまして……。そうだよね、私みたいな凡人なんかと、まずそこは違うんだなと……思いました……。

 私なんか沖縄FIBA行きたいけど飛行機の密室空間が怖くて尻込みしてるのにさ……こんな年齢になってもそんなことでひよってんのにさ……すごいよみんな…………

 現地での「アジア人」として舐められる初めての経験

 チームメイトからパスを貰えない初めての経験 そこから実力で皆を認めさせていく過程

 まず言語が分からないのにいきなり英語ばかりの生活で、授業まで英語で、学業もなかなかついていけず

 プレップスクールの寮は携帯の電波も繋がりにくい(当時)のような閉鎖的な場所で

 それでも歯を食いしばってバスケと英語と環境に必死についていく青年たち

 それでも、卒業前までにNCAAのスカウターに見初められる難しさ

 NBAのあのきらびやかな場所に立つには、才能・努力・精神力・運・人望……そのすべてがうまく噛み合わさないといけない奇跡を起こすかのようなことだっていうこと。




 14人いる中で、14通りの生きざまが書かれていて、本当に何回も何回も深呼吸して、彼らの人生に思いを馳せたおかげで、数日間はほぼ、SNSを放り出し、この本だけと向き合える有意義な時間を過ごせました。




 本当に申し訳ないと思った。
 軽々しく、『流川楓がNBAプレイヤーになりました』って設定を使っていた自分を殴りたくなりました。
 勿論、NBAプレイヤーになる設定は素敵だし、私も今後も書くことがあると思う。それでも、彼が……流川楓がどんな……途方もない努力と努力と才能とそれを凌駕する努力でその地位まで上り詰めたのか、まったくもって考えていなかった。
 解釈が浅すぎて、本当に自分自身で書いたNBA設定の小説ぜんぶ捨ててやろうかと思ったんですが、そういう自分の『浅はかさ』も捨てずに置いておこう……自戒の念もこめて……と思って、とりあえず置いておくことにします。無知だった時の自分もいつか愛せるようになるといいな……。

 とりあえず、プレップスクールの14か月、たぶん日本に帰国なんてできるわけねーしマメに連絡もできるわけねーーー!!三井!あんたもわかってるわよね!??!(NCAAに入学できたらより一層かもしれないが……)と思って、あたためていた、次の新刊にしようと思っていたプロットの『転』をどうしようかな……とぼんやり考えています。コレ書いたら成仏できるかもしれないな(だから書きたくないな)と思っていたプロットだったんですが、奨学金のこの本読んで、あ~この長編書いたってたぶん成仏できないな!と思ったんで逆になんか安心しましたw まだるみつの亡霊として舞台の端から……いやオペラ座の怪人のごとく居座ることになりそうです(?)

 逆にすごく創作意欲もわきました。

 すごくリアルな話が今、書きたい。プレップスクール行って、NCAAのD1目指してたけどスカウトがこなかったパターンとか、NCAA入ったけどNBAのドラフトにひっかからなかった流川楓。そういうの……すごい書きたくなりました。それは決して『失敗』じゃなくて、アメリカでどストレートにNBAいくのが『成功』なわけではなくて、流川楓がバスケットボールを愛する人生の軌跡がもはや『成功』だからさ…………オタク語り始めそうなのでこのあたりでちょっとやめておきます。が、彼は何歳になっても挑戦に怯まない男であってほしいし、そんな流川のことを、三井も自分自身のバスケ人生を歩みながら見守っていてあげてほしい。
 三井は三井の人生をちゃんと歩んでほしい。流川の為に……とか二歩下がってる昭和の嫁みたいなポジションではなく、彼もちゃんと自分自身が納得する人生を歩んでほしい。一人の男として、人間として、自分が望む人生を歩んでほしい。
 そして、ずっと一緒に居なくたっていい。バスケットボールという二人の中に失くすことのできない強い根幹で繋がってる二人だから、いつだってあの時の二人に戻って1on1ができる二人であってほしい。

 結局オタク語り始めそうだからやめるとかいいつつ、ちょっと漏れちゃってるじゃん~クソデカ感情がさあ~~~イヤ~~これ以上はやめておきます。

 拍手でもらっていた印刷会社の話はまた今度MEMOであげたいとおもいます♡ありがとうございます